


行政書士事務所です!と言われても、行政書士って何する人なの?と思われる方も多いと思います。そこで今回のコラムでは、行政書士のできることとできないことについて説明します。
行政書士の仕事は、一言で言うと書類作成です。
作成できる書類は、官公署に出す書類・権利義務に関する書類・事実証明に関する書類です。それぞれの書類について説明していきます。
事業を始めるときや、既存の事業を続けるためには、行政から『許認可』を受けなければならない場合があります。
許認可とは、
事業者・利用者・地域社会の“安心と安全”を守るために、行政が一定の基準を確認する仕組み
です。
たとえば、
飲食店であれば衛生管理が適切かどうか
建設業であれば建物が安全に施工されているかどうか
といった点がチェックされます。
この許認可を受ける際には、行政が指定する多くの書類をそろえて提出する必要があります。しかし、必要書類は種類が多かったり、書き方が複雑だったりして、一般の方にとっては負担に感じられることも少なくありません。
そこで、その書類の収集や作成、提出手続きのお手伝いができるのが行政書士です。
行政書士は、法律に基づき「官公署に提出する書類の作成と手続きの代理」を行う専門家として、事業者の皆さまをサポートします。
権利義務と聞くと、難しく感じるかもしれませんが、これは簡単に言えばお互いが守るべき約束ごとのことです。つまり、権利義務とは『契約』の中身そのものです。
実は、私たちは日常生活の中で、意識しないうちにたくさんの契約をしています。
・スーパーで商品の入ったカゴをレジに持って行く
⇒売買契約成立
・電車に乗る時に駅でICカードをタッチ
⇒運送契約成立
・コインパーキングに車を停める
⇒賃貸借契約成立
・クリーニング店に服を出す
⇒寄託契約と役務提供契約成立
※ここでは、一般的に考えられる契約類型を例として挙げています。
実際の契約内容は、サービス内容や合意内容によって異なる場合があります。
このように、契約はとても身近なものなので、“契約書”がなくても契約そのものは成立します。しかし、後々トラブルになりやすい内容については、契約書として形に残しておいた方が安心です。
そこで、トラブルを防ぐための契約書や合意書の作成をサポートできるのが行政書士です。例えば、次のような書類が該当します。
・遺産分割協議書
・離婚協議書
・業務委託契約書
契約書は誰でも作ることができますが、いざトラブルが起きた時に本当に自分を守ってくれる内容になっているかどうかは別問題です。その部分を補い、安心につながる書類に仕上げるのが専門家の役割です。
「きちんとした契約書を作っておきたい」
「後でもめないように備えたい」
そんな時は、行政書士に一度ご相談ください。
上記の書類はほんの一例です。
行政書士が作成できる書類は数百種類と言われているため、専門分野を持ち、その分野に特化した知識や経験でお客様のサポートをする行政書士がほとんどです。
当事務所も相続分野に特化し、FPの視点を組み合わせることで、人生100年時代に求められる総合的なサポートを提供しています。
②では「約束ごと(=契約)」を文書にする書類について説明しましたが、事実証明とは、すでに起きている事実や状況を整理し、第三者に分かる形で文書化することを指します。
ただし、「事実であれば何でも書けばよい」というわけではありません。
事実証明にあたるのは、
・第三者に事実を示す必要があるもの
・①②の書類の根拠となる事実を示すもの
といった、客観的な証明として意味を持つ文書です。
例えば、
・会議の議事録は、会議で何が決まったのかを第三者(地域住民・株主等)に示すための文書
・財産目録や相続関係図は、②の遺産分割協議書を作成する際の「事実の根拠」となる文書
このように、事実証明に該当するかどうかは内容によって判断が分かれることも多く、行政書士自身でも慎重に検討する必要がある分野です。
「この事実を文書にしておいた方がいいのか」
「どんな形にすればよいのか」
迷われることがあれば、行政書士に一度ご相談ください。
行政書士は、法律によって業務範囲が明確に定められています。
これは行政書士に限らず、いわゆる「士業」と呼ばれる国家資格者すべてに共通する仕組みです。
それぞれが専門分野のスペシャリストであり、依頼者を守るために “扱ってよい領域” が法律で線引きされているのです。
代表的な士業とその専門分野を簡単にまとめると、次のようになります。
・弁護士:トラブルの交渉・法律相談・訴訟
・司法書士:不動産登記・会社登記
・税理士:税務申告・税務代理
・社会保険労務士:労働・社会保険の手続き
・弁理士:特許・商標など知的財産権
・土地家屋調査士:不動産の測量・表示登記
・海事代理士:船舶や海事法規に関する手続き
このように専門分野が分かれているため、行政書士が扱えない業務もあります。
たとえば行政書士は、
・トラブルの仲裁や法律相談(弁護士の領域)
・登記手続き(司法書士の領域)
・税務申告や個別の税額計算(税理士の領域)
といった業務を法律上行うことができません。
そのため、税金に関するご質問をいただいても、一般的な説明はできても、個別の事情に合わせた税額計算や税務判断はお受けできないのが現状です。
ご相談者様からすると「誰に相談すればいいのか分からない」と不安になることもあると思います。
そのような場合でも、まずは行政書士にご相談ください。
内容に応じて、どの専門家に相談するのが適切か、アドバイスさせていただきます。
ここまで『行政書士のできること・できないこと』についてお伝えしてきました。行政書士という職業を、以前より少し身近に感じていただけたでしょうか。
各士業にはそれぞれ専門分野があり、その専門性を生かしてご相談者様に最適なサービスを提供しています。
・「契約書を作りたいけれど、専門家に入ってもらうべきか迷っている」
・「合意書を作りたいが、誰に頼めばいいのか分からない」
・「相続税がかかりそうなので対策をしたいが、どこに相談すればよいのか不安」
そんなお悩みを抱えたときに、このコラムの内容が少しでも判断の助けになれば幸いです。
行政書士も、皆さまの不安を軽くし、安心して手続きを進められるようサポートいたします。