単利と複利

単利と複利

金融商品を選ぶ上で必ずと言っていいほど目にする「単利」と「複利」。単語の意味ではなく、イメージで理解してみましょう。

単利と複利

近年新NISA導入によって投資に興味を持つ人が増えています。
金融庁のデータによると、2024年のNISA口座数は2500万を超え、10年前の制度開始時より、2.5倍以上に増えました。
その中でも多くの人が『投資信託』という金融商品を選んでいます。
投資信託を勧めるときの説明として、
「長期投資は複利効果絶大、今すぐ始めるべき!」
といったセールストークを見かけることがあります。


では、そもそも、単利と複利とは何でしょうか。

このページの目次

単利とは

銀行預金を例に考えてみましょう。
銀行にお金を預けると、預けた金額に対して利子がつきます。銀行は、預金者から預かったお金の一部を企業や個人に貸し、その利息で利益を得ています。そのため、銀行としては多くのお金を預けてもらいたいので、預金者への“お礼”として利子をつけてくれるわけです。


例えば、A銀行が「預金に対して1年で1%の利子をつける」とします。
あなたが100万円を預けた場合、1年間で1万円の利子がつきます。
1年目:+1万円
2年目:+1万円
3年目:+1万円


このように、毎年同じ金額の利子がつくのが単利です。


もし8年間預けっぱなしにしたら、100万円に毎年1万円ずつ利子がつくので、
100万円+(1万円×8年)=108万円
となります。


(本来の式は
100万円+1万円+1万円+1万円+1万円+1万円+1万円+1万円+1万円=108万円)



つまり、

単利とは
利子が“足し算”で増えていく仕組み

のことです。

複利とは

さきほど銀行預金の話をしましたが、今度は生物の授業の話をします。(えっ⁉)


※ここで紹介するプラナリアの分裂実験は、学校の授業として安全管理のもとで行われるものです。家庭や個人での実施を推奨するものではありません。



私が高校生の時、生物の授業でプラナリアを分裂させる実験をしました。シャーレに入れたプラナリアに切れ込みをいれ、しばらく冷蔵庫にいれておくと、切れた部分が再生し、個体の数が増えていくという実験です。
そして、増えたプラナリアにまた切れ込みをいれるとさらに数が増えます。
1つが2つに、2つが4つに、4つが8つに...というように、前に増えた状態を土台にして、次の増加が起こるのです。


つまり「増えた分も次の増加の材料になる」、
これが複利の世界(掛け算で増える世界)です。


生物の授業を受けていない人にはイメージしづらいかもしれないので、もう一つ複利の世界の例として“SNSのフォロワー”を挙げてみましょう。


あなたの投稿を見た友達が1人フォローすると、その友達の友達がまたフォローし、そのまた友達の友達の友達が…とどんどんフォロワーが増えていきます。
増えたフォロワーがまた次のフォロワーを連れてくる、これも複利の構造です。


要するに、複利とは“掛け算”で増えていく仕組みのことです。


複利のイメージがついた人には、もう分かったかもしれません。
お金で考えると、利子がまた次の利子を生むということです。


先ほどの「年率1%、100万円を預ける」例で考えると、
1年目:100万円→101万円
   +1万円   (100万円×0.01)
2年目:101万円→102万100円
   +1万100円 (101万円×0.01)
3年目:102万100円→103万1201円
   +1万201円 (102万100円×0.01)


というように、増えた元本(預けた金額+利子)に対して利子がついてきます。


8年目の金額は、
100万円×(1+0.01)⁸≒108万3000円
となります。


複利とは、
“掛け算で増えていく世界”

ということが、なんとなくイメージできたでしょうか?



まとめ


単利とは“足し算で増えていく世界”
複利とは“掛け算で増えていく世界”


このイメージさえ持てれば、複利の特徴が自然と見えてきます。
複利は、

・同じ時間をかければ同じ利率の単利より増えやすいこと
・時間がたつほど増える量が大きくなること
(フォロワーが「2人→4人」より、「4人→8人」のほうが増加数が大きいのと同じ)

といったメリットがあります。


ただし、ここで「複利はすごい!」と短絡的に飛びつくのではなく、


・複利にはどんなデメリットがあるのか
・そもそもこれは複利の世界にあてはまるのか


といった“根本的な疑問”を持てるかどうかが、金融リテラシーを高めるうえでとても大切です。


この疑問の解決は、また別コラムで紹介します。それまで、気になる人は様々な方法で調べてみてください。ネットで調べるもよし、周りの大人に聞いてみるのもよし、友達や家族とディスカッションしてみるのもいいですね。しかしどんな方法であろうとも、鵜呑みにしてしまうのは良くありません。自分が納得できる答えを見つけてみてくださいね。