


前回はインフレの1つ目の型、ディマンド・プル型インフレについて学びました。
今回(その3)は前回(その2)に引き続き、インフレの2つ目の型である
コスト・プッシュ型 を学んでいきましょう。
(前々回の例が出てくるので、その1のコラムを先に読むことをお勧めします。)
その4 その5
コスト(cost)とは「費用」のことです。
コスト・プッシュ型インフレとは、
モノを作るための費用が大きくなることで、価格が上がるインフレ
のことです。
そう、前回の『あおあお椅子』の例がまさにこれでした。
ただし、ここでも大事なポイントがあります。
『あおあお椅子』だけの値上がりはインフレではない。
インフレとは、
さまざまなモノ(サービスを含む)の価格の平均が上がること
でしたね。
では、いろいろなモノの「作る費用」が上がるのは、どんなときでしょうか。
ここで、日本についての次のデータを見てみましょう。
| 項目 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 食料自給率(令和6年) | 38% | 農林水産省 |
| エネルギー自給率(令和4年) | 12.6% | 資源エネルギー庁 |
| 半導体輸入割合(平成30年) | 79% | 経済産業省「半導体に係る安定供給確保を図るための取組方針」 |
これを見ると、あることに気づきませんか?
そうです。
日本では、食べ物・エネルギー・半導体など、生活に必要なものの多くを海外から輸入しています。
では、次のような輸入にかかる費用が上がるとどうなるでしょうか。
・輸送に使う石油の価格が上がる
・円安で、海外から買うときの支払いが増える
・輸入先の国で災害やトラブルが起きて供給が減る
こうしたことが起きると、モノを作るための費用が一気に高くなります。
その結果、さまざまな商品の価格が上がり、コスト・プッシュ型インフレが起きるのです。
(円安については別の記事で解説する予定です。).png)
『あおあお椅子』の例でも触れましたが、
コスト・プッシュ型インフレの重要なポイントは、
ほしい人の数は変わっていないのに、価格が上がる
という点です。
この特徴を押さえておくと、
この型のインフレが「良いのか・悪いのか」を判断しやすくなります。
・コスト・プッシュ型インフレ
モノを作るための費用が大きくなることで価格が上がるインフレ。
・日本は多くのものを輸入に頼っているため、
輸入費用の上昇(石油価格・円安など)がインフレにつながりやすい。
・ほしい人が増えていないのに値上がりする
これがディマンド・プル型との大きな違い。
次回は
インフレの良し悪し
について考えていきます。