外国為替 その1『外国為替とは』

外国為替 その1『外国為替とは』

外国為替 その1『外国為替とは何か』

前回は、『お金』という広い枠で、お金の価値の保証について見てきました。
今回は、国や地域ごとに使える『通貨』同士の関係、すなわち外国為替について見ていきましょう。


序章  お金の価値とは
その1 外国為替とは何か
その2 外国為替レートはどう決まるのか
その3 私たちの生活にどのように影響するのか



外国為替とは何か

外国為替とは、違う種類の通貨を交換する仕組みのことです。


日本なら円(¥)、アメリカならドル($)、EUならユーロ(€)など、国や地域ごとに使える通貨は決まっています。


たとえばアメリカで買い物をするとき、日本の1万円札(渋沢栄一)はそのままでは使えません。
前もって円をドルに換えておく必要があり、そのときに使うのが外国為替です。


外国為替の考え方

前回のコラムで、国の中では国が価値を保証してくれると学びましたね。
では、国と国の通貨の関係はどう決まるのでしょうか。


ここで例を使って考えてみます。

例なので、実際の為替レートとは異なります

りんごが1個の値段が、
・日本  :100円
・アメリカ:1ドル
・EU  :1.2ユーロ

この例では、りんごの希少性や人気によって値段が変わらないように、りんごはどの国でも同じように手に入る果物だとします


りんごの価値がどの国でも同じだとすると、
100円=1ドル=1.2ユーロ
という関係が成り立ちます。


つまり、100円と1ドルを交換できる、ということです。


これが外国為替の基本的な考え方です。



外国為替レート

『円安』や『円高』という言葉を聞いたことがあると思います。
・1ドル=100円 → 1ドル=150円 ⇒ 円安
・1ドル=100円 → 1ドル=80円  ⇒ 円高


この時点で、150円の方が高そうなのに『円安』なのかよ!と、つっこみをいれ挫折しそうになるその気持ち分かります。私も学生時代にはそう思っていました。


ここで混乱してしまうのは、このドルと円の関係の何が安いのか、何が高いのかをいまいち理解できていないからでしょう。


ポイントは、
円が他の通貨と比べてどれだけの価値を持っているか
ということです。


通貨同士の価値を比べるときは外国為替レートを使います。


外国為替レート(=外国為替相場)とは、
違う通貨同士の交換比率のこと
(例:1ドルが日本円でいくらなのか)

です。


このレートは、(円とドルの関係だけでいうと)円をほしい人、ドルをほしい人の数によって常に変化しています。
(相場変動要因については後で解説します)


円をほしい人が増える ⇒円の価値が上がる
ドルをほしい人が増える⇒ドルの価値が上がる

(価値についての詳しい説明はコチラのコラムをご覧ください)


ここで大切なのは、

・円をほしい人が増えたからといって、ドルをほしい人が減るとは限らない
・通貨はたくさんあり、その中の『円とドルの関係』だけを見ている

という点です。


通貨の価値は相対評価

下の図のように、通貨ごとに価値が上がったり下がったりしています。

この図では、
ドル :価値が上がった (ほしい人が増えた)
ユーロ:価値が上がった (ほしい人が増えた)
円  :価値が下がった (ほしい人が減った)
ことが分かります。


このとき、

ドルと円  ⇒ドル高円安
ユーロと円 ⇒ユーロ高円安
ドルとユーロ⇒ドル高ユーロ安

となります。
『高』『安』というのは、2つの通貨の『価値』の高低を示していたのです。


ここで重要なのは、

通貨の価値は“相対的”に決まる

ということです。
ユーロは価値が上がっているのに、ドルと比べると『ドル高ユーロ安』になることもあります。


さあここで問題です

りんご1個の値段が、
日本  :100円
アメリカ:1ドル
だったとします。
ここから、ドルの価値は変わらず、円の価値だけが下がり、円安になったとしましょう。
では、りんご1個を買うのに必要な日本円は次のうちどれでしょう?
①50円
②100円
③150円











正解は、③です!
円の価値が下がると、リンゴ1個を買うのに100円では足りなくなってしまいます。
そのため、100円では足りず、150円払わないと買えなくなります。
ちなみにこの場合、ドルの価値は変わっていないので、今まで通り1ドルでりんご1個が買えます。


では逆にドルの価値が上がったら、りんご1個買うのに何ドル必要か、ぜひ考えてみてください。



今までは『価値の比較』を分かりやすくするために、りんごを間にはさんで考えてきました。
1ドル=りんご1個=100円


しかし、りんごをはさまなくても、考え方は変わりません。



円安の場合

1ドル=100円だったとします。


今まで100円出せば1ドルと交換できた

円の価値が下がる

100円出しても1ドルには届かない

もっと円を出す必要がある


たとえば120円必要になれば
1ドル=120円
となります。



円高の場合

1ドル=100円だったところから、


今まで1ドル交換するのに100円必要だった

円の価値が上がる

100円出すと1ドルと交換できるうえに、おつりが返ってくる

つまり、より少ない円で1ドルと交換できる


たとえば80円で交換できるなら
1ドル=80円
となります。


まとめ

・『円安』『円高』とは、他の通貨と比べたときの相対的な価値の変化のこと
・外国為替レートは常に変化している


つまずきがちな『円安』『円高』について整理しました。数字だけを追うのではなく、価値がどう変化したのかという視点で考えると、為替の動きがぐっと理解しやすくなります。
次回は、その外国為替レートを動かしている正体について、さらに深く見ていきましょう。